アイキャッチの背景色

BLOG

投稿記事

有限会社はそのまま残しておいた方がよいのか

2024.03.21 有限会社

有限会社とは?

有限会社とは、かつて日本で設立が認められていた形態の会社です。いきなり結論ですが、現在は新たに有限会社を設立することはできません。理由は2005年の会社法制定、2006年施行により、有限会社法が廃止となったためです。

もっというと会社法施行により、株式会社設立のハードルがグッと下がり、株式会社と有限会社を区別する必要性が無くなったためです。(旧商法下では株式会社が資本金1,000万以上、有限会社が300万以上、取締役会の設置義務の有無など違いがあったので、小規模法人形態としての存在意義がありました)

有限会社の歴史

有限会社法は1892年にドイツで制定され、ドイツを模倣して日本も1938年(昭和13年)に有限会社法を制定しました。有限会社はドイツでは大成功したのですが、日本ではあまり人気が出ませんでした。(数は多いです)やはり株式会社の方が信頼感があるから、有限という文字が否定的なニュアンスがあるから、等様々意見があります。しかし後述しますが、有限会社には株式会社には無いメリットがあります。

特例有限会社とは?

有限会社が設立できなくなったからと言って、既存の有限会社がなくなるわけではありません。あくまで新規の設立ができないだけで、既存の有限会社は特例有限会社という名前で存続することができます。法律上の扱いは株式会社として存続します。また、株式会社や合同会社に組織変更することも可能です。

有限会社のメリット

有限会社から株式会社、合同会社への組織変更をお考えの方は、有限会社のメリットを確認してからの方が良いかと思います。私見ですが、なんとしても株式会社にして出資を獲得し、事業を大きくしたいなどの明確なビジョンがない限り、有限会社のままにしておくことをお勧めいたします。

理由は3つあります。

①役員の任期が無いこと(株式会社には原則2年ごとに取締役の重任登記が必要。登録免許税や司法書士報酬もかかる)

②決算公告義務が無いこと(株式会社は毎年決算を官報や自社のHP等で公告する必要がある)

③歴史のある会社というイメージが与えられる

①、②に関しては要するに面倒な手続きをしなくても良いということです。③については、もう設立できなくなった現在、有限会社という名前はある種プレミア感がありますし、少なくとも2006年以前から長く存続していた企業なので、株式会社よりもむしろ信頼感がある、という見方もできます。

手続きのご依頼・相談

ただやはり株式会社に組織変更して、より多くの資金を集めたい、事業を拡大したい、いずれ上場したいといった方は、所定の手続きを経ることにより変更ができますのでご相談ください。

有限会社から株式会社、合同会社への組織変更は当事務所の報酬が5万円で承っております。(※プラス登録免許税として設立登記代3万円+解散登記代3万円+登記簿等本600円が、法定費用としてかかります)お考えの方はぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。