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代表取締役の住所非表示措置について

2024.06.09 法人設立

令和6年10月から代表取締役の住所の非表示措置が始まります。一定の要件の下、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人の住所の一部を登記事項証明書に表示しないこととする措置です。

なぜ住所が公開されるのかというと、銀行や株主等の債権者保護のため、訴訟になった場合に連絡手段として代表の住所が使われることが想定されるためです。

しかし代表の住所が誰でも見れるとなると、悪意を持った人物によるDV、ストーカー、嫌がらせなどの被害に繋がりかねません。プライバシー意識の高まりから、代表の住所を公開することはデメリットが多いのではないか?という声が上がり今回の措置が取られることとなりました。

手続き

1 登記申請と同時に申し出ること。
 代表取締役等住所非表示措置の申出は、設立の登記や代表取締役等の就任の登記、代表取締役等の住所移転による変更の登記など、代表取締役等の住所が登記されることとなる登記の申請と同時にする場合に限りすることができます。

2 所定の書面を添付すること。

・上場会社以外の株式会社の場合
  以下の⑴から⑶までの書面
  なお、既に代表取締役等住所非表示措置が講じられている場合は、⑵のみの添付で足ります。
  また、株式会社が一定期間内に実質的支配者リストの保管の申出をしている場合は、⑶の添付は不要です。

  ⑴株式会社が受取人として記載された書面がその本店の所在場所に宛てて配達証明郵便により送付されたことを証する書面等
  ⑵代表取締役等の氏名及び住所が記載されている市町村長等による証明書(例:住民票の写しなど)
  ⑶株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証する書面(例:資格者代理人の法令に基づく確認の結果を記載した書面など)

登記事項の表示

住所非表示措置が講じられた場合、登記事項証明書等において、代表取締役等の住所は最小行政区画までしか記載されないこととなります(※)。
なお、代表取締役等住所非表示措置の対象となる住所は、申出と併せて申請される登記によって記録される住所に限られます。

※ 市区町村まで(東京都においては特別区まで、指定都市においては区まで)記載されます。

注意点

代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合には、登記事項証明書等によって会社代表者の住所を証明することができないこととなるため、金融機関から融資を受けるに当たって不都合が生じたり、不動産取引等に当たって必要な書類(会社の印鑑証明書等)が増えたりするなど、一定の支障が生じることが想定されます。
そのため、代表取締役等住所非表示措置の申出をする前に、このような影響があり得ることについて、慎重かつ十分な検討が必要です。

代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合であっても、会社法に規定する登記義務が免除されるわけではないため、代表取締役等の住所に変更が生じた場合には、その旨の登記の申請をする必要があります。